HPUTC’s diary

想定外のパンデミック。滞る就活、内定取消し、リストラ。このピンチをチャンスに変える人間力UP養成講座開設中!

実りある退屈

コロナ自粛、帰省自粛と続き、もうこれ以上どうすればいいんだと、世界中がうめいている。

小学4年になる私の孫も、宿題をしっかりやれば退屈しないはずなのに、それはしっかり脇に置いて「退屈すぎて頭がおかしくなる」と。
「それなら宿題でもやってみたら」というと、「もっとおかしくなる」と。
ホントに子供の感性は、無邪気!

 

退屈の勧め

 

複数の心理学者・教育学者が、子どもに対して「退屈の勧め」を説いている。
「退屈は、真の創造性をもたらし得る『内在的な刺激』を発達させるのに不可欠なものである」

「退屈する能力は、子どもの成長の成果である」

 

退屈する時間は、ある意味では苦痛の時間。
しかし、この心理的な負担は子どもたちの成長に大切なものだとする心理学者のリン・フライ博士

 

「退屈はいけないことだと思っているかもしれませんが、退屈しても問題はありません。子どもたちが、何かを成し遂げるための動機付けをできるようになるためには、退屈する方法を学ぶ必要があります。退屈することは子どもを自立させる術なのです」

 

親としての役目とは、子どもたちが社会の中で自分の居場所を見つけられるような準備をさせることです。

『大人になる』ということは、『自分自身のスケジュールをコントロールして、幸せに感じられるような余暇の時間で埋め尽くせるようになる』、ということなのです」と述べています。

 

フライ博士は、もしも親たちが子どもの休暇をすべて埋めてしまうならば、子どもたちは自分でこの術を学ぶことがなくなってしまうと、子どもの機会損失を訴えています。これでは子どもの成長の芽を親たちが刈り取ってしまうというわけです。

そしてー

「子どもたちは若い植物のようなもの。誰にも邪魔されない土壌に一人残されたときこそが最も成長する時である。過度に旅行に連れ出したり、印象深い体験を過剰に与えたりするのは、子どもにとっては良くないことだ。むしろ、『実りある』単調さに耐えられない人間に成長してしまうだろう」と述べ、親の過剰なサポートの弊害を説いている。

 

言葉を替えて言えば、「実りある退屈」。
これこそ、引き算、割り算を得意とするおもてなしの真骨頂。

 

私たちは、便利を貪ることで、地球を食い尽くしてきた。それでようやく動き始めたと思ったら、わずかにレジ袋の倹約(前回掲載)。
そして、世界中がコロナウィルスに取り巻かれている。


これに対する対策はといえば、手洗い、うがいにマスク。いかにもアナログ。いかにも昭和。

アナログ、昭和、退屈、いいじゃないか。

このコロナ自粛、帰省自粛は、実りある退屈を経験させてくれる良いチャンスと考えてはどうか。