失敗と誠実
「失敗してもいい」という考え方は「自分が楽しんでやれることはやりなさい」というメッセージであり、逆に、「乗り気ではないけれども、会社のためにやります」という言い方はさせない」。
これは、Google社の社員に対するカンパニー・ポリシーである。
誠実を養うトレーニング
社員が何か失敗をした時に、それを隠すとやがてそれが山積みになり、企業としては大きな損失を招くことになる。
あれからかれこれ20年。Google社は、「誠実」(インテグリティ)を養うトレーニングをしてきたという。この方針が階層を飛び越えた繋がりがをつくり出し、透明性を生むという。なぜなら、大人になってからの人の誠実さは、教育できないからだ。
Google社では、トレーニングの場でコンスタントにインテグリティについて話し合うことによって、誠実さをキープしてきた。これによりどんな文化が生まれたかと言えば、冒頭に挙げた
ー
- 「仕事は会社のためにするものではない」
- 「乗り気ではないけど仕事だから仕方がない」
- 「何が良いことで正しいことは何か」
Google文化
「楽しい」がGoogleの文化の根底にある。つまり、遊びとしての仕事。社内も、カラフルなすべり台とビーンバックチェア、無料のご馳走、常識はずれのオフィス(自転車で移動)などなど、まるでDLのように発想と工夫、エンタメ性が込められている。
さらに、ボトムテールへの配慮まで徹底している。ボトムテールに投資する支援プログラムがあり、成績がGoogleで下から5%であることを、まず通知する。これは、成績が上がらないと辞めてもらうという告知ではない。あくまでも思いやりを示し、支援する。それでも上がらない者には、彼の力を発揮できるだろう別の企業を紹介する。それで成績を伸ばし、別企業のCEOにまでなった人物も少なからずいるという。しかもー
スーパーフライデー
CEOとの週一(金曜)全社員ミーティングがある。日本では、バーゲンセールというイメージが先に立つが、GoogleではCEOが社員(グーグラー)のどんな質問にも公平に誠実に答える日となっている。2008年大統領に就任したオバマは、質問受付イベントとして、このGoogleのアプリを使用したほどである。
そんなGoogle社で、数年前に性差別、人種差別そして職場で黙認されるパワハラに対する抗議活動があり、社員たちが、取締役陣に従業員代表を加えることを要求した。
それにGoogle社どう対応したかー
「多様性と包括性を誇ってきたグーグルにもかかわらず、人種主義に対する具体的な行動や公平性の向上、セクハラの撲滅といった対策があまりに遅すぎました。
これがグーグルです。これまで多くの難題を乗り越えてきました。現況は受け入れがたいものですが、もし解決できる企業があるとすれば、それはグーグルだと思います」
ーと応えている。
安倍首相、っていうかどの政治家たちにも、そのまま真似してほしいほどのインテグリティではないか。
このインテグリティをキーワードに、今やトランプ大統領と移民、防衛、差別についてのやりとりもするほどに、アプライ率世界ナンバー1の企業として君臨している。