変革は足元から
世界経済フォーラムが「ジェンダー・ギャップ指数2020」は、153ヵ国中121位とこれまた昨年より7ランク下げている。
これは、経済、政治、教育、健康の4つの分野のデータから作成されるもので、男女格差は中国、韓国にも劣っている。
やはり、幸福感というのは男女の公平さから生まれるもので、公平さがなくえこひいきが目立てばジェンダーどころかジェラシーばかりが強くなる。
女性だというだけで、女子アナ、女弁護士、女医なんて言葉が平気で使われている。2年ほど前に東京医科大学での女性差別入試問題を皮切りに、他の国公立大など女性減点入試が公然と行われていた。これに対して、マスコミは一斉に「女性差別だ! 許さない!」と取り上げたが、それを見ながら報道している新聞・通信社もまた、女性を平等に扱っているとは思えなかった。女性記者というだけで彼らは今もその激務の中でスクープ取りにカラダを掛けなければならない窮地に追いやられることもあると言う。
アメリカは、男女格差なぞなにするものぞというイメージがあるが、ドイツ、フランス、イタリアなどヨーロッパ諸国とはまだまだ比べ物にない。常に、40位代後半から50位代前半を行ったり来たり。今回は、53位。
こうした中で女性が男社会で秀でていく生存戦略としては、そのファッション性にある。
世界的コロナ禍で、収束に向けて見事な采配をし続けているのは、ドイツのメルケル首相をはじめ、ニュージーランドのジャシンダー・アーダーン首相、アイスランドのカントリー・ヤコブドッティル、フィンランドのサンナ・マリン
と女性に多い。
一向に感染者が減らないアメリカで、たった2州だけが感染者数を減少させている、その一つがロードアイランド州。この州知事ジーナ・レイモンドもまた女性。
かつて、女性リーダーと言えば、「鉄の女」と言われたサッチャー氏。確かにここに強い女のイメージはあるが、今はもうそこまでの必要はない。
4年前にアメリカ大統領選でトランプに惜敗(せきはい)したヒラリー・クリントン。
彼女は、白のパンツスーツでその魅力を十分に発揮したものの、一つだけ足りないものがあった。
それは、おっかさん的リーダー。
強い女のイメージよりも、子供の良き母親でありながら、知的ファッションリーダーでもある。
今回のアメリカ大統領選で、副大統領として名を挙げたカマラ・ハリス。
彼女は、さらにこうしたドレスコードを一新した。足元は、常にありのままでありたい、ベーシックでありたいという思いが彼女の中にあるという。それは、古き良き時代を語るチャックテイラー。かつて、おじいちゃんもおばあちゃんも履いたコンバース。それにジャケットを着こなした姿。
イギリスのEU離脱問題で首相から退いたテリーザ・メイ。彼女のファッションもなかなかのものだったが、注目のポイントは靴にあった。
今やかつてのメイ首相のハイヒール革命は、チャックテイラー革命となろとしている。
もはや男社会を生き抜くために女を捨てる必要はない。男勝りも男顔負けの姿も必要ない。
ファッションリーダーでありながら、子供の良きお母ちゃん。世界は、足元から変えられようとしている、っていうか、変えていかないと見えないウィルスに占領されてしまう。
「私たちには素晴らしい未来を作る力があります。私は最初の女性副大統領になるかもしれませんが、最後ではありません。今夜見ているすべての少女が、この国は可能性にあふれていると知るでしょう。アメリカは性別に関係なく、子どもたちに明確なメッセージを送っています。大志を持って夢を描きなさい。信念を持って進みなさい。そして人が見ていない見方で自分を見てください。私たちはあなたの進む道を応援します」
私もそんな女性たちを応援する一人です。