Rethink
たったワンタップ、ワンクリックで誹謗中傷が簡単に相⼿に届いてしまう。
トリーシャ・ブラブさんは 14 歳ながら、なんと 1500 件の実例データを取った。
「待って、本当にそんな侮辱的なコメントをするの?」
そう確認されたことで、93%の若者が投稿をとりやめるという結果を得た。 そしてー 「ネットいじめ」となる発⾔をしようとする意欲を、71.1%から 4.7%にまでに減少させた。
これにより、彼⼥は少し考えてみるだけで、ネットのいじめを事前に⽌めることができることを確信。
このシステム「Rethink」をもって Google サイエンス展覧会に出席し、⾒事グローバルファイナリストとなった。
ネットいじめもまた、パンデミック状態で世界中に溢れています。 アメリカの場合、国内だけで 52%の若者がネットいじめを経験していて、 さらに、その中の 38%もの⼈たちが、⾃殺願望を抱いている。
2013 年の秋、トリーシャ・ブラブさんは、 幼い⼦がネットいじめにあって⾃殺したというニュースを読み、⼤ショックを受けた。 以来、彼⼥はそのようないじめを防げないものか知恵の限りを絞りはじめる。
まず、年齢と SNS で中傷的なメッセージを送る⾏為とに関係があるのかという調査を⾏った。その結果、12 歳から 18 歳までの若年層はそれより上の年齢に⽐べて、 40%も「ネットいじめ」となる発⾔をする傾向が強いことがわかる。なぜ若い層ほど、相⼿を侮辱する発⾔をしてしまうのか?
若年層にいじめが多い理由を知って愕然としました。
未成年者の脳は未発達で、後ろから前に向かって発達していき、 ⼈格や急な決断・判断⼒を担う前頭葉。未成年者は、この部分が未熟な状態。 つまり、何かしようと思ったら、⽌まらない。思いとどまることができない。 さて、どうしたらいいのか。
ある感情に突き上げられると誰でもそれを思いとどまるのが⼤⼈でも難しいときがある。 それをなんとか理性で抑えるわけだが、未成年者はそこまでブレーキがかからない。 しかも、脳が完成するまでには 25 年かかる。それが、うしろの後頭葉から徐々に前に出来上がってくるというから、 ⼈格や決断⼒を司る前頭葉は最後の⽅になる。
前頭葉は意識領域に属するもので、脳のほとんどは無意識領域。 知識は意識的に吸収しないと蓄えられませんが、 知恵というのはそれとは関係なくこの無意識領域に隠されている。その使い⽅を⾒失ったままだと、私たちには悪知恵しか働かない。もとより人の不幸を喜ぶ「シャーデンフロイデ」という機能まである。
「若者の脳はブレーキがない⾞」のようなもの。このことが頭から離れず、 友達も呆れるほどいつも考えていました。 そして、ようやくあるシステムを開発することを思いつく。
さっそく実験を開始。 それは、相⼿を侮辱するような書き込みをしようとした時に「本当に投稿しますか?」というメッ セージを表⽰するしくみ。それは「Rethink」と名付けられた。
それにしても、⼈を⾮難しようとする気持ちはどこから?
⼤きな原因は、⾃尊⼼が低いこと。
こういう⼈は⾃分が否定されてきた経験があり、また、過去の失敗を繰り返し反芻する傾向がある。 なので、⼈が失敗したり⾮難されていると、これもまたほぼ無意識に反芻してしまう。
まさしく、Rethink!
トリーシャさんのTed Talk